第4講 庭園の見方の基本

池泉回遊式と枯山水と露地 3つの様式と借景が分かれば庭は何倍も面白くなる。

この講で身につくこと
  • 庭園の3様式を見分けられる
  • 借景と視点場の考え方が分かる
  • 拝観時の見どころの探し方が分かる

3つの様式を見分ける

様式特徴代表例
池泉回遊式池を中心に歩いて巡る庭。景色が移り変わる天龍寺の曹源池庭園 平安神宮の神苑
枯山水水を使わず石と砂で山水を表す。座って観る庭龍安寺の石庭 大徳寺の塔頭の庭
露地茶室に至る通路としての庭。飛石と蹲踞(つくばい)各寺院や町家の茶庭

まず入口でどの様式かを見分けると、その庭の「正しい楽しみ方」が決まります。歩く庭なのか、座って眺める庭なのか。枯山水の砂紋は水の流れの表現なので、白砂を海や川に見立てて石組を島や滝として読むと、抽象画が風景画に変わります。

借景と視点場

京都の庭の大きな特徴が「借景」です。庭の外にある山や森を庭の一部として取り込む設計で、天龍寺の曹源池庭園は嵐山と亀山を、円通寺は比叡山を借りています。借景の庭では、庭木が外の景色を隠さないよう高さまで計算されています。庭を見るときは「塀の向こうに何を借りているか」を探してみてください。

もうひとつの鍵が「視点場」。日本庭園には設計者が想定した「ここから見る」という場所があります。多くは本堂の縁側や書院の座敷で、座ったときの目の高さに合わせて石や池が配置されています。立って歩きながらではなく、腰を下ろして柱を額縁に見立てると、設計者の意図した一枚の絵が現れます。

実践のポイント

拝観を何倍にもする3つ
  1. 朝一番の拝観開始直後に行く。人が少ないだけでなく、斜めから差す光で庭の陰影が最も深い時間です
  2. 縁側があればまず座る。視点場からの眺めを確認してから歩き始めます
  3. ひとつの庭に10分。全部を見ようとせず、気に入った一角を決めてじっくり眺めるほうが記憶に残ります